夏休みが終わりに近づくと、家のどこかに置き場所を探している大きな工作がありませんか。段ボールの城、ペットボトルの水族館、貝殻を貼りつめた宝箱。子どもが何日もかけて作ったものだからこそ、簡単には手放せません。
夏休みの作品は、なぜこんなに扱いに困るのか
普段持ち帰ってくる絵や折り紙とちがって、夏休みの工作には特徴があります。まず、大きい。そして立体で、平らにたためない。さらに、時間が経つと段ボールが反ったり、のりが劣化したり、材料そのものが傷んでいきます。
もうひとつ厄介なのが、思い入れの強さです。親も一緒に材料を買いに行き、うまくいかずに泣いた場面も、完成して得意げに見せてくれた顔も覚えている。だからこそ「これは捨てられない」となり、結果として押し入れの奥で何年も眠ることになります。
けれど押し入れの奥にあるものは、事実上、見返されません。残していないのと、あまり変わらない状態です。
「立体は写真で、平面は現物で」と決めてしまう
ひとつの目安として、立体作品は写真で残し、現物は思いきって手放す。平面の絵や習字は場所を取らないので現物を少し残す。そんなふうに、あらかじめ線を引いておくと迷う時間が減ります。
立体を写真に残すときは、少しだけ手をかけると印象が変わります。
- 白い壁や無地の布の前に置いて、背景を整理する
- 正面だけでなく、横・後ろ・上からも撮る
- 子どもがこだわった細部(貝殻の並び、窓の形)を寄りで一枚
- 作品だけでなく、子どもが持っているところも一枚
特に最後の一枚は効果的です。作品の実際の大きさが伝わりますし、数年後に見返したときに「このとき、こんなに小さかったんだ」と、作品と成長の両方が同時に見えます。
お別れは、子どもと一緒に決める
親が黙って処分すると、子どもが後で気づいて傷つくことがあります。反対に、一緒に決めた作品は驚くほどあっさり手放してくれることも多いものです。
「写真を撮ったから、もう大丈夫だね」と確認しながら進めると、子どもにとっても納得のある区切りになります。どうしても残したいと言うものが出てきたら、それは残す。全部残そうとするより、本人が選んだ一点を大切にするほうが、後々の意味は大きくなります。
お別れの前に、作品に向かって「ありがとう」と言う。それだけの儀式でも、子どもの中では十分な締めくくりになります。
自由研究のノートも、忘れずに
工作の陰で見落とされやすいのが、自由研究の記録用紙やノートです。観察日記の字、いびつなグラフ、貼りつけた押し花。中身は理科の記録でも、そこに写っているのはその年の子どもそのものです。
模造紙のような大きなものは、全体を一枚撮ったあと、文字が読める距離でブロックごとに分けて撮っておくと、後から内容も追えます。
来年の夏、見返せる場所に置いておく
写真に撮っても、スマホのカメラロールに紛れてしまえば探し出すのは難しくなります。夏休みの作品は年に一度しか増えないので、まとめておけば、そのまま一年ごとの成長の記録になります。
こども作品ミュージアム「コノミュー」は、撮った作品を年齢や時期ごとに並べて、小さな美術館のように残していけるアプリです。作品と一緒に、そのときのエピソードや子どもの言葉も添えられます。段ボールの城は手元から消えても、作った日のことは残っていきます。
片づけの季節は、記録の季節でもあります。処分する前に、カメラを一度向けてみてください。
