「ママ、新しい自由帳ちょうだい!」。気づけば何冊目になるのか分からないほど、子どもの自由帳やらくがき帳が増えていく……という方は多いのではないでしょうか。最後のページまで描ききったもの、途中で次の冊子に移ったもの、表紙が取れかけたもの。本棚の隅や引き出しの奥に、いつのまにか積み重なっていきます。
一枚の絵なら飾ったり、ファイルにはさんだりできますが、ノートの形をした自由帳は、扱いに迷いやすいものです。中を開けばなぐりがきやお姫さまや電車、なにかの「おはなし」まで、その時期の子どもの頭の中がそのまま詰まっています。だからこそ、捨てるのも残すのも決めきれない。今回は、使い終わった自由帳との付き合い方と、無理なく続けられる残し方・見返し方のアイデアをご紹介します。
自由帳は、子どもの「日記」のようなもの
園や学校から持ち帰る作品は、テーマや材料が決まっていることが多いですよね。一方、家で描く自由帳は、誰にも頼まれずに描いたものばかりです。好きなキャラクターを何十回も描いていたり、同じ形をくり返し練習していたり、あるページで急に字を書きはじめていたり。ページをめくると、そのときどきに夢中になっていたものや、できるようになったことが、時間の順に並んでいます。
そう考えると、自由帳は絵の作品集であると同時に、言葉を使わずに書かれた日記のようなものかもしれません。一冊まるごと残すかどうかは別として、「なにも見ずに処分する」のは少しもったいない存在です。使い終わったら、まずは一度ぱらぱらとめくってみてください。
使い終わったら、表紙に「いつ・何歳」を書いておく
自由帳を残すときに、いちばん手軽で、あとから効いてくるのが「表紙へのメモ」です。数年たつと、どれが何歳のころの自由帳なのか、驚くほど分からなくなります。使い終わった日に、表紙や裏表紙へ次のようなことを書いておくだけで、ぐっと見返しやすくなります。
・使いはじめと使い終わりのおおよその時期(「4さい なつ〜あき」など)
・名前(きょうだいがいる場合は特に)
・その時期に夢中だったもの(「きょうりゅうブーム」「おみせやさんごっこ」など)
・通し番号(「じゆうちょう No.12」のように)
字が書ける年齢なら、子ども自身に書いてもらうのもおすすめです。表紙に残る本人の字そのものが、あとで見返したときの思い出になります。「No.」をつけて番号を増やしていくのは、子どもにとってもちょっとした達成感になるようで、「もう10さつめだね」と一緒に数える楽しみも生まれます。
全部は残せない。だから「残し方」を分けてみる
とはいえ、自由帳は一年で何冊にもなることがあり、すべてを保管し続けるのは現実的ではありません。そこで、自由帳を「まるごと残す」「選んで残す」「写真で残す」の三つに分けて考えてみると、気持ちが少し楽になります。
まるごと残すのは、たとえば一年に一冊、子どもが「これはとっておきたい」と選んだものや、はじめて人の顔を描いた時期、はじめて字が登場した時期など、節目になりそうな一冊です。箱をひとつ決めて「この箱に入るぶんだけ」とルールにしておくと、量が増えすぎずにすみます。
選んで残すのは、気に入ったページだけを切り取って、ほかの作品と同じファイルにまとめる方法です。ミシン目がついている自由帳なら切り離しやすく、作品ファイルに年齢順に入れていけば、一冊の「ベスト版」のようになります。
写真で残すのは、実物とはお別れする冊子の、印象に残ったページを撮っておく方法です。全ページを撮ろうとすると負担が大きいので、「1冊につき5〜10ページ」くらいに絞るのがおすすめです。迷ったら、表紙・最初のページ・最後のページ・本人のお気に入りページを撮っておくと、その冊子の雰囲気がしっかり残ります。
ページを選ぶ時間を、親子の会話にする
どのページを残すかは、できれば子どもと一緒に選んでみてください。「どれがいちばん好き?」「これはなにを描いたの?」と聞きながらめくっていくと、大人には分からなかった絵の意味を教えてもらえることがあります。ただのぐるぐる線に見えたものが「せんたくきのなか」だったり、何人も並んだ人の絵が「ほいくえんのおともだちぜんいん」だったり。
そうした子どもの言葉は、ぜひページの余白やメモ帳に書き留めておきましょう。写真で残す場合も、撮った絵と一緒に一言を記録しておくと、数年後に見返したときの楽しさがまったく違います。また、選ぶ時間そのものが、子どもにとって「自分の描いたものを大切にしてもらえた」という体験になりやすいものです。上手かどうかではなく、「こんなに描いたんだね」と描いた量や続けてきたことに目を向けると、自然と会話がふくらみます。
残した自由帳は、ときどき「読み返す」
せっかく残した自由帳も、しまいこんでしまうと見返す機会がなかなかありません。誕生日や年末、新学期の前など、年に一度か二度「自由帳を読み返す日」を決めておくと、家族の小さな恒例行事になります。並べてめくっていくと、線の勢いや色づかい、描くものの変化に、親も子も思わず笑ってしまうはずです。
写真で残したページは、スマホの中で埋もれてしまいがちなので、アルバムアプリでフォルダを分けておいたり、年ごとにまとめて小さなフォトブックにしたりするのもひとつの方法です。わたしたちが作っている「コノミュー」も、子どもの絵や工作を写真で残して、成長の記録としてまとめていけるアプリです。選んだページを登録していけば、自由帳の中の名作たちを、いつでもスマホで見返せるようになります。もちろん、紙のファイルや手作りのアルバムでも、十分に素敵な記録になります。
自由帳がいっぱいになるのは、子どもがそれだけたくさん描いてきた証です。全部を完璧に残そうとしなくても、表紙にひとこと書いておく、お気に入りの数ページを撮っておく、それだけで思い出はちゃんと残っていきます。次に「新しい自由帳ちょうだい」と言われたら、使い終わった一冊を、ぜひ親子で一緒にめくってみてくださいね。
