「子どもを美術館に連れて行ってみたいけれど、騒いだら迷惑かな」「まだ早いかな」。そんなふうに迷って、なんとなく先延ばしにしていませんか。
芸術の秋。実は美術館は、思っているよりずっと、親子にひらかれた場所になっています。そして子どもと絵を見る時間は、大人が思う「鑑賞」とはまったく違う、おもしろい発見に満ちています。今回は、親子での美術館デビューを気軽に楽しむコツをご紹介します。
美術館デビューに「早すぎる」はない
「絵の意味なんて、まだ分からないのでは?」と思うかもしれません。でも、子どもは絵を「理解」しに行くわけではありません。大きな絵の迫力にびっくりしたり、好きな色を見つけたり、「わんわんいた!」と動物を探したり。子どもなりの見方で、ちゃんと楽しんでいます。
最近は「赤ちゃんOK」の日を設けたり、子ども向けの鑑賞プログラムを用意したりする美術館も増えています。ベビーカーの貸し出しや授乳室があるところも。まずはお近くの美術館のサイトで「こども」「ファミリー」といったページを探してみてください。
親子で楽しむ3つのコツ
1. 全部見ようとしない。大人でも、展示を全部じっくり見ると疲れます。子どもと一緒なら「気に入った絵を3つ見つけたら帰ろう」くらいがちょうどいい。滞在30分でも、立派な美術館デビューです。
2. 「どれが好き?」とだけ聞く。解説を読んで教えようとしなくて大丈夫。「どの絵がいちばん好き?」「なんでだろうね?」。それだけで、子どもは自分の目で絵を見はじめます。返ってくる答えは、たいてい大人の予想の斜め上です。
3. 帰り道に話す。「あの大きい絵、すごかったね」。帰り道の会話が、いちばんの鑑賞タイムだったりします。ミュージアムショップでポストカードを1枚選ばせてあげるのも、思い出の残し方としておすすめです。
「見る人」になると、「描く人」も変わる
不思議なもので、美術館で絵を見た子どもは、家に帰ると描きたくなるようです。「おうちでも描く!」と、いつもより大きな紙に、いつもより大胆な色を使いはじめたりします。
絵が「額に入れて、大切に飾られるもの」だと知った子どもにとって、自分の絵もまた、特別なものになります。「ぼくの絵も飾って」と言われたら、それは美術館デビューの何よりの成果かもしれません。
わが家にも、小さな美術館を
美術館で「作品を大切に残して、みんなで見る」という体験をしたら、おうちでも同じことをしてあげられます。とはいえ、すべての絵を額に入れて飾るのは現実には難しいもの。
わたしたちが作っている「コノミュー」は、子どもの絵や工作を写真に撮って、スマホの中に小さな美術館のように残していけるアプリです。美術館の帰り道、「きょう描いた絵も、〇〇ちゃんの美術館に飾ろうか」。そんな会話のきっかけになったらうれしいです。
この秋、親子で美術館へ。そして帰ったら、わが子の作品も、ひとつ「収蔵」してみてください。
