園や学校から帰ってきた子どものかばんを開けると、小さく折りたたまれた紙がぽろりと出てくることはありませんか。開いてみると、お友だちの名前と「だいすき」の文字、ハートや動物の絵。思わず顔がほころぶ、子ども同士の「おてがみ」です。
4〜6歳ごろになると、字や絵を覚えたうれしさから、お友だち同士で手紙を交換するようになる子も多いようです。小学校に入ってからも、メモの交換やちょっとしたプレゼントの絵は続いていくことが多いものです。ただ、毎日のように増えていくと「どこまでとっておけばいいの?」と迷ってしまうのも正直なところですよね。
今回は、お友だちからもらった手紙や絵を、子どもの気持ちを大切にしながら無理なく残していくためのヒントをご紹介します。
小さな手紙は、子どもの「人とのつながり」の記録
子ども同士の手紙は、大人から見ると落書きのように見えることもあります。それでも、その一枚には「あの子に渡したい」と思った気持ちと、受け取った子のうれしさが詰まっています。
自分で描いた作品が「その子の世界」の記録だとすれば、お友だちからもらった手紙は、その子が誰と仲良くして、どんなふうに関わっていたかを伝えてくれる記録です。クラス替えや卒園、引っ越しで離ればなれになったあとに見返すと、「この頃はこの子といつも一緒だったね」と、当時の毎日がよみがえってくることもあるでしょう。
だからこそ、全部を完璧にとっておくことよりも、「大切にしているよ」という姿勢を子どもと共有することが、いちばんの土台になるのかもしれません。
受け取ったときは、まず一緒に喜んでみる
子どもが手紙を見せてくれたら、まずは一緒に眺めてみてください。「だれからもらったの?」「なんて書いてあるの?」と聞いてみると、うれしそうに教えてくれることが多いものです。
・描いてあるものを一緒に見る:「このうさぎ、〇〇ちゃんが描いたんだね」と絵にふれるだけで、子どもは手紙を大切に思っている気持ちが伝わったと感じられます
・お返事を書きたいか聞いてみる:お返事を書く時間は、そのまま親子のお絵かきタイムになります。無理に書かせる必要はなく、「書きたい」と言ったときに紙やシールを用意してあげるくらいで十分です
・中身を読むときはひと声かける:小学生くらいになると、手紙の内容を親に見られたくないと感じる子も出てきます。「見てもいい?」とひと言たずねる習慣があると、安心して見せてくれやすくなります
なお、手紙のやりとりのルールは園や学校によって異なります。授業中のやりとりを控えるよう決めているところもあるので、気になるときは先生に様子を聞いてみると安心です。
増えていく手紙の保管アイデア
受け取った手紙は、気づくとテーブルの上や引き出しの中に散らばりがちです。最初に「ここに入れる」という置き場所を決めておくと、ぐっと管理しやすくなります。
・子ども専用の「おてがみばこ」をつくる:空き箱やお菓子の缶を子どもと一緒に飾りつけて、もらった手紙を入れる場所にします。自分で入れられる高さに置いておくと、片付けの習慣にもつながります
・クリアファイルやポケットアルバムに入れる:小さく折られた手紙は、広げてポケットに入れておくと見返しやすくなります。学年や年度ごとにファイルを分けておくのもおすすめです
・日付と差出人をメモしておく:子どもの手紙には名前しか書いていないことも多いもの。裏の目立たないところや付箋に「年中・秋」などと添えておくと、あとで見返したときに分かりやすくなります
・写真に撮って記録しておく:箱がいっぱいになる前に、時々まとめて撮影しておくと安心です。手紙を広げて並べて撮れば、その時期の交友関係がひと目で分かる一枚になります
わたしたちが作っている「コノミュー」は、子どもの作品を写真で残し、日付やメモを添えて家族で見返せるアプリです。もらった手紙もいっしょに記録しておけば、自分の作品とお友だちとのやりとりを、ひとつのアルバムのように振り返ることができます。必要に応じて、気軽に使ってみていただけたらうれしいです。
手放すときは、子どもと相談しながら
どれだけ大切でも、すべての手紙を何年もとっておくのは難しいものです。おてがみばこがいっぱいになったら、子どもと一緒に中身を見返す日をつくってみてはいかがでしょうか。
「これは残したい」「これはもういいかな」と、子ども自身に選んでもらうと、手放すことへの納得感が生まれやすくなります。進級や年度末、大掃除の時期など、区切りのタイミングに合わせると取り組みやすいでしょう。残すと決めたものは保管用の箱へ、手放すものは写真に撮ってから、ありがとうの気持ちを込めてお別れします。
一方で、お友だちの名前や住所などが書かれた手紙を処分するときは、そのまま捨てるのではなく、細かく破くなどのひと手間をかけておくと安心です。相手のおうちのことも思いやる、小さな心配りですね。
手紙の数だけ、だれかに大切にされた日がある
毎日のように増えていく小さな手紙は、ときに「また増えた」と思ってしまう存在かもしれません。けれど、その一枚一枚は、わが子がだれかに思われ、だれかを思った日のしるしでもあります。
全部をきれいに残せなくても大丈夫です。一緒に喜んで、置き場所を決めて、ときどき見返す。それだけで、子どもにとっては「もらった手紙を大事にしてもらえた」という、あたたかな記憶になっていくはずです。大きくなったわが子と、いつか笑いながら読み返せる日を楽しみに、今日届いた一枚もそっとしまっておいてあげてください。
