9月1日は「防災の日」。この時期になると、備蓄品の見直しや避難経路の確認など、防災について考える機会が増えますよね。水、食料、懐中電灯……リストを片手に備える中で、ふと気づくことがあります。もしもの時、子どもの絵や工作、家族の思い出は、守れるのだろうか、と。
命と安全が最優先。それは大前提です。そのうえで、災害のあとに「あれだけは残っていてほしかった」と多くの人が挙げるのが、写真や子どもの作品といった思い出の品なのだそうです。今回は、備えの季節に考えたい「思い出の防災」についてのお話です。
思い出の品は、持ち出せない
避難の場面を想像してみると、すぐに分かります。両手は子どもと最低限の荷物でふさがっていて、作品の入った箱やアルバムを抱えて逃げる余裕は、まずありません。実際、被災された方の体験談でも「思い出の品はほとんど持ち出せなかった」という声は少なくありません。
子どもの絵や工作は、紙と水に弱い素材でできています。水害でも火災でも、一度失われたら、二度と同じものは戻ってきません。買い直せる物と、買い直せない物。防災の視点で家の中を見渡すと、子どもの作品は間違いなく後者です。
「原本を守る」より「データで残す」という考え方
では、作品を金庫にしまえばいいのかというと、それも現実的ではありませんよね。思い出の防災でいちばん確実なのは、原本そのものを守ろうとするより、写真に撮ってデータにしておくことです。
ここで大事なのが、データの置き場所です。スマホ本体だけに保存していると、スマホの故障や紛失でまとめて失われてしまいます。パソコンや外付けハードディスクも、家と一緒に被災すれば同じこと。だから、家の外――つまりクラウドにもう一部ある状態を作っておくことが、思い出の防災の基本になります。
防災の日は、作品を撮る日にもちょうどいい
とはいえ、「いつかまとめてやろう」と思っているうちに、作品の山はどんどん育っていきます。そこでおすすめしたいのが、防災用品の点検と同じように、思い出の点検にも「決まった日」を作ってしまうことです。
たとえば防災の日のある9月に、この半年の作品を子どもと一緒に並べて、写真に撮る。撮りながら「これ、どんなお話?」と聞いてみると、作品整理の時間が、そのまま親子の会話の時間になります。撮り終えた作品は、特に思い入れのあるものだけ残して、あとは「写真に残したから大丈夫」とお別れする。備えと整理が、一度にすんでしまいます。
クラウドの中の美術館は、なくならない
わたしたちが作っている「コノミュー」は、子どもの作品を写真に撮って、スマホの中に小さな美術館のように残していけるアプリです。撮った作品はクラウドに保存されるので、スマホが壊れても、機種変更しても、作品たちはそのまま。家の外にもう一つ、家族の美術館がある状態を、特別な手間なく作ることができます。
もちろん、クラウド保存ができるサービスなら、写真アプリでもオンラインストレージでも、思い出の防災は始められます。大切なのは、「ここに残っている」と言える場所を一つ持っておくことです。
防災リュックの中身を見直すついでに、今年は思い出の備えも一つだけ。子どもの作品を数枚、写真に撮ってクラウドに置いておく。それだけで、もしもの日に守れるものが、確かに増えます。
