実家の押し入れや物置を整理していて、古い箱の中から自分の子どもの頃の絵や工作が出てきた——そんな経験はありませんか。「こんなの、とっておいてくれたんだ」と、思わず手が止まる。色あせた画用紙のクレヨンの線に、当時の自分と、それを残してくれた親の気持ちが、いっぺんに押し寄せてくる瞬間です。
今回は、親になった今だからこそ分かる「実家に眠っていた自分の作品」の話をしてみたいと思います。
「残してくれていた」ことに気づく日
子どもの頃は、自分の絵がどこへいったかなんて気にもしていなかったはず。それが大人になって、親になって、ふと実家で再会する。何十年も引っ越しや大掃除をくぐり抜けて、その一枚が残っていたという事実に、言葉にしにくい温かさを感じます。
「残す」というのは、その時々で場所を取り、手間もかかる行為です。それでも捨てずにいてくれたのは、親にとってその絵が「作品」である以上に、あの頃のあなたそのものだったからかもしれません。
親になった今、見え方が変わる
不思議なもので、自分の子どもの頃の絵は、わが子の絵と重なって見えます。「この頭足人、うちの子が今描いてるのとそっくり」「私もどんぐりを箱いっぱい集めてたんだ」——自分の作品を通して、わが子の「今」がいかにかけがえのない時期かを、あらためて実感する方は多いようです。
そしてもうひとつ気づくのは、当時の親の気持ちです。仕事や家事に追われながら、それでも捨てずに箱へしまってくれた。その手間の意味は、同じ立場になった今のほうが、ずっとよく分かります。
見つけた作品、どうする?
再会した作品は、また箱に戻してしまう前に、少しだけ手をかけてあげるのがおすすめです。
まずは写真に撮っておくこと。紙は年月とともに傷んでいくので、状態のよいうちにデジタルで残しておくと安心です。撮るときに、覚えていれば「何歳ごろ、どんな子だったか」を書き添えておくと、記録としての価値がぐっと増します。
そして、できれば親と一緒に眺めてみてください。「これ、いつの?」「あんた、これ描いたとき…」と、思いがけない思い出話が聞けるかもしれません。作品は、世代を超えた会話のきっかけになってくれます。
二世代の作品が、ひとつの美術館に
コノミューは、子どもの作品を写真に撮って、小さな美術館のように育てて残せるアプリです。展示するのは、わが子の作品だけでなくてもかまいません。実家で見つかった自分の子どもの頃の絵を隣に並べれば、親子二世代の作品が並ぶ、ちょっと特別なギャラリーになります。
「ママもこんな絵を描いてたんだよ」と見せたときの、子どもの驚いた顔。それは「上手に描かなくちゃ」というプレッシャーではなく、「ママも同じだったんだ」という安心を届けてくれるはずです。
実家の箱の中で眠っていた一枚が、今度はわが子との会話を生む。作品を残すことは、そんなふうに時間を超えて、家族をつないでくれます。次に実家へ帰ったら、押し入れの奥を少しのぞいてみませんか。
