子どもの作品を写真に撮ったり、ファイルにまとめたり。「残す」ための工夫は、少しずつ習慣になってきた。でも、ふと気づくと——残したはずの作品を、最後に見返したのはいつだったでしょう。スマホの奥、押し入れの箱の中。せっかく残した思い出が「しまいっぱなし」になっているご家庭は、実はとても多いのです。今日は、残した作品を家族で「見返す」時間のお話です。
「残すこと」がゴールになっていませんか
作品の整理や保存は、それ自体がなかなかの大仕事です。写真を撮って、選んで、まとめて……とやり遂げた達成感で、つい「これで安心」と一区切りついた気持ちになります。でも本来、残すのは「いつか見返すため」のはず。見返されない思い出は、鍵のかかった宝箱と同じで、そこにあるのに誰の心も温めてくれません。
逆に言えば、見返す時間さえあれば、残した作品は何度でも家族の時間に戻ってきてくれます。しかも準備はほとんどいりません。すでに残してあるのですから、あとは「開く」だけです。
見返す時間が、子どもに教えてくれること
昔の作品を一緒に眺めると、子どもはまず「これ、ちいさいときのやつ?」と自分の変化に驚きます。「前はこう描いてたのに、いまはこんなに描けるんだね」という会話は、子どもにとって自分の成長を実感できる、うれしい瞬間です。誰かと比べるのではなく、過去の自分と比べて「大きくなった」と感じられる——これは作品を見返す時間ならではの体験です。
そしてもうひとつ。「この絵、大事にとってあるんだよ」という事実そのものが、子どもへのメッセージになります。自分の作ったものが大切にされている。それを目で確かめられることは、「自分は大事にされている」という安心感につながっていきます。
「見返す日」を、ゆるく決めておく
とはいえ、日々の暮らしの中で「そのうち見返そう」と思っていると、その「そのうち」はなかなか来ません。おすすめは、見返すきっかけを暮らしの節目にゆるく結びつけておくことです。誕生日の夜に1年分をふりかえる。進級や新学期の前に「この1年の名作展」を開く。年末の大掃除のあとに家族で鑑賞会をする。どれも数分から始められます。
かしこまったイベントにする必要はありません。夕食のあとの10分、寝る前のひととき。「ねえ、これ覚えてる?」のひと言から始まる会話で十分です。むしろ短くて気軽なほうが、くり返しやすく、習慣として続いていきます。
わが家でこの「見返す時間」を支えてくれているのが、コノミュー(konomew)というアプリです。子どもの作品を小さな美術館のように飾って残せるので、ソファでアプリを開けば、そのまま親子の鑑賞会が始まります。「この美術館、だれの?」「〇〇ちゃんの!」というやりとりも含めて、見返す時間がちょっと特別になりました。よければのぞいてみてください。
思い出は、開いたときに動き出す
作品を残す工夫と、見返す習慣。この二つがそろって、はじめて思い出は「家族の時間」として働き始めます。難しいことは何もありません。今夜、残してある作品をひとつ開いて、「これ描いたとき、どんな気持ちだった?」と聞いてみる。それだけで、しまいっぱなしだった宝箱のふたが、そっと開きます。
