子どもの誕生日が近づくと、プレゼントやケーキの準備で何かと気ぜわしくなりますよね。その一方で、「もう◯歳になるんだ」「1年ってあっという間だったな」と、ふと立ち止まって振り返りたくなる日でもあります。
そんなとき、手がかりになってくれるのが、この1年に子どもが描いた絵や作った工作です。写真が「その日の様子」を残してくれるものだとしたら、作品は「その子が何を見て、何を好きだったか」をそのまま映してくれるもの。並べて眺めてみると、言葉にしにくかった1年分の成長が、ちゃんとそこに残っていることに気づくかもしれません。
今回は、誕生日をきっかけに1年分の作品を家族で振り返る「ふりかえり会」のアイデアと、準備のコツ、そして次の1年につなげる残し方をご紹介します。
誕生日は、作品を見返す「ちょうどいい区切り」
作品を見返そうと思っても、日々の忙しさの中では、なかなかきっかけがつかめないものです。年度末や年末は行事や片付けで慌ただしく、気づけば箱やファイルに入れたままになっていることも少なくありません。
その点、誕生日は子どもにとっても家族にとっても「1つ大きくなった」ことを実感しやすい日です。「◯歳のあいだに描いた絵を見てみようか」と声をかければ、子ども自身も自然と興味を持ってくれます。毎年同じ日に振り返ることを続けていけば、作品の整理も1年に1回、無理のないペースで進められます。
また、誕生日当日はお祝いで手いっぱいなら、前の週末や数日後でもかまいません。大切なのは日付ぴったりであることより、「年に一度、作品と向き合う時間をつくる」ことです。
「ふりかえり会」の準備は、ほんの少しでいい
ふりかえり会といっても、特別な準備は必要ありません。いつもの作品の置き場所から、この1年分を取り出してみるところから始めてみましょう。
・作品をざっくり時期ごとに並べる:厳密な順番でなくても、「春ごろ」「夏休み」「最近」くらいに分けて床やテーブルに並べると、変化が見えやすくなります
・スマホの写真も一緒に見る:すでに手放した大きな工作や、園で飾られていた作品の写真があれば、画面で一緒に見返すと抜けていた思い出がつながります
・時間は短めに区切る:小さな子ほど長時間は集中しにくいもの。15分〜30分ほどで切り上げて、「また見ようね」と終わるくらいがちょうどいいかもしれません
・おやつや飲み物を用意する:ケーキの残りやお茶をお供にすると、ちょっとしたイベントのような雰囲気になります
全部を見ようとしなくても大丈夫です。子どもが手に取った作品から、気の向くままに話を広げていくだけでも、十分にすてきな時間になります。
親子で話したい、振り返りのことばかけ
作品を前にしたら、評価するよりも、子どもの記憶や気持ちを引き出すような声かけを意識してみてください。たとえば、次のような問いかけがあります。
・「この絵、いつ描いたか覚えてる?」
・「この1年で、いちばん好きな作品はどれ?」
・「このころは何が好きだったんだっけ?」
・「今描いたら、どんなふうになると思う?」
子どもの答えは、大人が予想していたものとは違うことも多いものです。親から見ると何気ないらくがきが「いちばんのお気に入り」だったり、覚えていないと思っていた絵について、描いた日のことを細かく話してくれたりすることもあります。
親の側からも、「この絵を見たとき、うれしかったんだよ」「このころは毎日ダンゴムシの絵を描いていたね」と、その時の気持ちや様子を伝えてみてください。自分の作品を大切に覚えていてもらえることは、子どもにとってうれしい体験になるはずです。
なお、線の描き方や色の使い方は、子どもによって変わっていくペースもさまざまです。「去年と比べて上手になったね」と比べるよりも、「こんなものを描くようになったんだね」と変化そのものを一緒におもしろがるくらいの気持ちで眺めるのがおすすめです。
「◯歳のベスト作品」を選んで、次の1年へ
ふりかえり会の締めくくりに、子どもと一緒に「◯歳のベスト作品」を選んでみるのはいかがでしょうか。1枚でも、3枚まででも、家庭ごとにルールを決めてかまいません。
選んだ作品には、裏に「◯歳のベスト」「選んだ理由:色がきれいだから」などとメモを添えておくと、何年かたって見返したときに、その年の子どもの声がよみがえります。ベスト作品だけを集めたファイルを1冊用意しておけば、毎年少しずつ増えていく「誕生日のアルバム」のような存在になってくれるでしょう。
選ばなかった作品は、写真に撮ってから手放す、季節ごとの箱にまとめて保管するなど、それぞれの家庭で無理のない方法を選んでください。ふりかえり会で一度ゆっくり向き合ったあとなら、「ありがとう」の気持ちで区切りをつけやすくなるかもしれません。
わたしたちが作っている「コノミュー」は、子どもの作品を写真で残し、日付や子どもの言葉を添えて家族で見返せるアプリです。年齢ごとに作品を振り返ったり、ベスト作品に選んだ理由を一緒に記録しておいたりと、ふりかえり会の記録を残す場所のひとつとして、気軽に使っていただけたらうれしいです。
作品の中に、1年分の「その子らしさ」がある
誕生日に作品を振り返る時間は、子どもの成長をお祝いすると同時に、親自身がこの1年をねぎらう時間でもあります。毎日の慌ただしさの中で、じっくり見てあげられなかった作品もあったかもしれません。それでも、こうして並べてみれば、その子が過ごした毎日がきちんと形になって残っています。
今年の誕生日は、ケーキのろうそくを吹き消したあとに、少しだけ作品を囲む時間をつくってみませんか。「来年はどんな絵を描くのかな」と話しながら、次の1年を楽しみに迎えられたらすてきですね。