肌寒い日が増えてくると、おうちで過ごす時間のお供に「ぬりえ」が活躍する、というご家庭も多いのではないでしょうか。好きなキャラクターのぬりえ帳、お店でもらった一枚、ネットで印刷した季節のぬりえ。気がつけば、色をぬった紙が引き出しにどっさり、ということもありますよね。
そんなとき、ふと迷うのが「ぬりえって、残しておくものなのかな?」ということ。自由に描いた絵とちがって、線はもともと印刷されたもの。「わざわざとっておかなくてもいいかな」と思う一方で、子どもが真剣な顔でぬっていた姿を思い出すと、なんとなく捨てにくい…。そんな気持ちになる方も少なくないと思います。
今回は、ぬりえ作品ならではの見どころと、親子で楽しむ工夫、そして無理なく残すためのコツをご紹介します。
ぬりえにも、その子らしさはちゃんと出ている
ぬりえは「決められた線の中をぬる遊び」と思われがちですが、よく見てみると、一枚一枚に子どもらしさがたっぷり詰まっています。
・色の選び方:空をピンクにしたり、うさぎを緑にしたり。大人が思いつかないような色の組み合わせは、その時期の「好き」が表れているのかもしれません
・ぬり方のくせ:ぐるぐると勢いよくぬる子、すみずみまでていねいにぬる子、好きなところだけぬって満足する子。ぬり方にも、その子なりのペースや楽しみ方が出てきます
・線からのはみ出し:はみ出した線も、思いきり手を動かした証拠。何か月かたって見比べると、「前より線の中にぬれるようになったね」と変化に気づけることもあります
・描き足し:印刷された絵の横に、自分で太陽や家族を描き足していることも。こうした小さな「おまけ」は、ぬりえならではの楽しい発見です
「上手にぬれたか」よりも、「どんなふうに楽しんだか」に目を向けてみると、ぬりえの見え方が少し変わってくるかもしれません。
ぬっている時間を、もっと楽しくする声かけ
ぬりえは子どもがひとりで集中しやすい遊びですが、ときどき大人が少しだけ関わると、会話が広がるきっかけにもなります。
・色の理由を聞いてみる:「どうしてこの色にしたの?」と聞くと、「だって、いちごが好きだから」「夜のおそらだから」など、思いがけない答えが返ってくることがあります
・ほめるより、見つけたことを伝える:「ここ、いろんな色が重なってるね」「この部分、ていねいにぬったんだね」と、気づいたことをそのまま言葉にすると、子どもも「見てもらえた」と感じやすくなります
・はみ出しは気にしすぎない:「はみ出さないように」と言いたくなる場面もありますが、楽しんでいる最中はそっと見守るのもひとつの方法です。本人が「きれいにぬりたい」と言い出したら、そのときに一緒にコツを考えてみましょう
ときには大人も一枚ぬってみて、「おかあさんはこの色にしたよ」と見せ合うのもおすすめです。同じ絵でも、ぬる人によってまったくちがう作品になるのは、ぬりえならではのおもしろさです。
たまったぬりえは「選んで残す」が続けるコツ
ぬりえは一度にたくさん仕上がることが多いので、全部をとっておこうとすると、すぐに置き場所に困ってしまいます。無理なく続けるために、こんなルールを決めておくと気持ちが楽になります。
・「1冊から数枚」を目安にする:ぬりえ帳を使いきったら、その中からお気に入りを数枚だけ選んで残す。枚数を決めておくと、迷う時間がぐっと短くなります
・子どもと一緒に選ぶ:「どれがいちばん好き?」と本人に選んでもらうと、親が選ぶのとはちがう一枚が出てくることも。選んだ理由も聞いておくと、あとで見返すときの楽しみが増えます
・変化がわかる一枚を残す:同じキャラクターや同じシリーズのぬりえを、時期を変えて残しておくと、ぬり方の変化が見えやすくなります
・描き足しのある一枚は優先する:自分で何かを描き足したぬりえは、その子のオリジナル要素が入った特別な一枚。迷ったら、こうした作品を優先して残すのもひとつの考え方です
残さないと決めたぬりえも、すぐに処分せず、しばらく壁に貼って「今月のぬりえ展」として楽しんでから手放す、という方法もあります。きちんと飾って見てもらえたという経験があると、子どもも納得しやすくなるかもしれません。
写真とひと言メモで、ぬりえを思い出に変える
紙で残す枚数をしぼるかわりに、写真で記録しておくと、気軽にたくさんの作品を残せます。撮るときは、明るい場所で真上から撮ると、色合いがきれいに残りやすくなります。ぬりえ帳のページなら、切り取る前に撮っておくと手間も少なくてすみます。
そして、写真と一緒に残しておきたいのが「ひと言メモ」です。「はじめて線の中にぬれた」「ぜんぶ虹色にするって決めていた」「ぬりながら歌を歌っていた」など、その日の様子を短く書き添えておくだけで、ただの一枚が、その時期の子どもの姿を思い出させてくれる記録になります。
わたしたちが作っている「コノミュー」は、子どもの作品を写真で残して、家族で見返せるアプリです。作品ごとにメモを添えたり、お気に入りの一枚をキャラクターや絵本のようにまとめたりすることもできます。たまっていくぬりえの記録先のひとつとして、気軽に使っていただけたらうれしいです。
ぬりえの一枚にも、その日の「好き」が詰まっている
ぬりえは、自由に描く絵にくらべると目立たない存在かもしれません。でも、色を選び、手を動かし、「できた!」と見せに来てくれたその一枚には、その日の子どもの「好き」や「がんばった」がちゃんと詰まっています。
全部を残せなくても大丈夫。ときどき一緒に見返して、「このころはピンクが大好きだったね」と話せる何枚かがあれば、それだけで十分すてきな思い出になるはずです。今日のぬりえも、ぜひ親子で楽しんでみてください。
