「これ、ママ!これがパパで、これがわたし!」。画用紙いっぱいに並んだ丸い顔と、にょきっと伸びた手足。子どもが家族の絵を描いて見せてくれると、なんだか胸がいっぱいになりますよね。
その一方で、「どうしてパパだけこんなに大きいの?」「わたしの顔、なんだか怒ってる?」「あれ、弟が描かれていない……」と、ちょっと気になってしまうことも。家族の絵は身近なテーマだからこそ、つい大人の目で意味を探してしまいがちです。
今回は、子どもが描く家族の絵を、親子でもっと楽しむための見方と、あとから見返したくなる残し方のヒントをご紹介します。
「上手さ」や「意味」より、まずは描いてくれたことを喜ぶ
家族の絵を見せてもらったとき、いちばん大切にしたいのは「描いてくれてうれしい」という気持ちを伝えることです。「わあ、みんないるね」「ママのこと描いてくれたの?ありがとう」。そんなひとことで、子どもは自分の絵が受け取ってもらえたと感じられます。
人の大きさや色、並び順などは、そのときの気分や、たまたま紙のどこから描き始めたか、使いたかったクレヨンの色など、いろいろな理由で変わるものです。一枚の絵だけで子どもの気持ちを読み取ろうとしなくても大丈夫。気になることがあっても、まずは「どんな絵なのか教えてもらう」ところから始めてみましょう。
もし日々の様子のなかで心配なことが続いているなら、絵だけで判断せず、園の先生やかかりつけの方など、子どもをよく知る人に相談してみるのが安心です。
「教えて」の声かけで、絵がどんどん面白くなる
家族の絵は、子どもに話を聞くと驚くほど物語が出てきます。たとえば、こんな声かけがおすすめです。
・「みんな、なにしてるところ?」
・「ママはどんなお顔してるの?」
・「このまわりのキラキラはなあに?」
・「このあと、みんなでどこに行くの?」
「パパが大きいのは、肩車してくれるから」「弟はいま、お昼寝中だからおうちの中にいるの」。大人が気になっていたところにも、子どもなりのちゃんとした理由があったりします。答えを決めつけず、「そうなんだ!」と面白がって聞くことで、子どもも話すのが楽しくなっていきます。
描かれていない家族がいても、無理に「◯◯も描いてあげて」と付け足しをお願いする必要はありません。次の機会に「今度は誰を描きたい?」と聞いてみるくらいの、ゆるやかな関わりで十分です。
家族の絵は「その年の家族の記録」として残す
家族の絵には、そのときの家族のかたちが映っています。赤ちゃんが生まれたばかりの頃、ペットを迎えた年、おばあちゃんと一緒に暮らしていた時期。何年かたって見返すと、写真とはまた違う形で「あの頃のわが家」がよみがえってきます。
残すときは、次のような工夫をしておくと、あとから見返す楽しみがぐっと増えます。
・日付と年齢を書いておく:裏面にさっとメモするだけでも、成長の流れが分かりやすくなります
・子どもの説明を一緒に残す:「これは公園でおにぎりを食べているところ」など、聞いた言葉をそのまま書き添えて
・写真に撮っておく:紙は色あせや折れが出やすいので、きれいなうちにデータでも残しておくと安心です
・毎年同じ時期に描いてもらう:誕生日やお正月など、節目に「家族の絵」を描く習慣にすると、並べて見比べる楽しみが生まれます
とくに「毎年の家族の絵」は、続けるほど味わいが深まる記録です。丸と線だけだった家族に、いつのまにか指や髪型、服の模様が描き込まれていく。そんな変化に気づけるのも、同じテーマで残しているからこそです。
飾る・贈る・見返すで、家族の絵をもっと楽しむ
家族の絵は、しまい込むだけではもったいないテーマでもあります。リビングの目に入る場所にしばらく飾ったり、遠くに住む祖父母に写真で送ったりすると、家族みんなで楽しめる一枚になります。「おじいちゃんとおばあちゃんも描いてみる?」と声をかけて、祖父母へのプレゼントにするのもすてきですね。
撮りためた家族の絵は、ときどき子どもと一緒に見返してみてください。「この頃はまだ弟がいなかったね」「このときはパパのひげを描いてたんだね」と話していると、子ども自身も自分の成長や家族の歩みを感じられるはずです。
わたしたちが作っている「コノミュー」も、子どもの作品を写真で残して、あとから見返せるアプリです。描いてくれた家族をキャラクターにしたり、絵本のようにまとめたりして楽しむこともできます。家族の絵の残し場所のひとつとして、気軽に使っていただけたらうれしいです。
どんな家族の絵も、その子から見た「わが家」の宝物
顔がはみ出していても、色がちょっと不思議でも、子どもが描く家族の絵は、その子の目に映った大切な「わが家」の姿です。正しく読み解こうとがんばらなくても、「描いてくれてありがとう」と受け取って、一緒にお話を楽しむだけで、十分にすてきな時間になります。
今年の家族の絵は、どんな一枚になるでしょうか。今だけの家族のかたちを、親子でゆっくり味わいながら残していってくださいね。
