「絵の具で遊びたい!」と言われて、思わず「また今度ね」と返してしまったことはありませんか。床や服が汚れる、片付けが大変、途中で水をこぼされたら……と考えると、忙しい日ほど気が重くなりますよね。クレヨンや色鉛筆なら気軽に出せるのに、絵の具だけはつい後回しになってしまう、というおうちは少なくないと思います。
でも、ちょっとした準備と段取りを決めておくだけで、おうちでの絵の具遊びはぐっとハードルが下がります。秋から冬にかけては、外遊びの時間が短くなったり、雨の日が続いたりと、おうちで過ごす時間が増える季節。今回は、汚れや片付けが気になる方に向けて、おうちで絵の具遊びを楽しむための準備・片付けのコツと、できあがった作品の残し方をご紹介します。
汚れを「気にしない」ための、始める前の準備
絵の具遊びでいちばん大切なのは、始める前の準備です。「汚さないように」と見張り続けるよりも、「汚れても大丈夫な場所」を先に作ってしまうほうが、大人も子どももずっと気持ちが楽になります。
・テーブルや床に、新聞紙やレジャーシート、大きめのビニール袋を切り開いたものを広げておく
・子どもには汚れてもいい服や、スモック・大人の古いTシャツを着せる
・ぬれた雑巾やタオルを手の届くところに用意しておく
・水入れは、倒れにくい底の広い容器を選び、水は少なめに入れる
・作品を乾かす場所(新聞紙を敷いた床の一角など)をあらかじめ決めておく
床で遊ぶ場合は、レジャーシートの範囲を「ここから出ないでね」というお約束の目印にするのもおすすめです。子ども自身も遊ぶ場所がはっきりして、落ち着いて取り組みやすくなります。
絵の具を選ぶときは、子ども向けとして売られているもの、水で落としやすいと表示されているものを選ぶと安心です。使い方や対象年齢は商品によって異なるので、パッケージの表示を確認してから使いましょう。小さな子は口に入れてしまうこともあるので、そばで見守れるときに遊ぶようにしてください。
年齢や気分に合わせた、気軽な遊び方
絵の具遊びというと、筆で絵を描くイメージがあるかもしれませんが、遊び方はいろいろあります。子どもの年齢や、その日の大人の余裕に合わせて選んでみてください。
まだ筆を持つのが難しい小さな子なら、指や手のひらで直接描く「指スタンプ」や、野菜の切れ端・ペットボトルのふたにつけて押す「スタンプ遊び」が楽しめます。秋なら、拾ってきた落ち葉に絵の具を塗って紙に押しつける「葉っぱスタンプ」も季節感があっておすすめです。
「今日は片付けを最小限にしたい」という日は、絵の具を使う量を減らす工夫もできます。たとえば、絵の具を少量ずつ出したパレットの代わりに紙皿を使えば、終わったらそのまま捨てられます。食品用のチャック付き袋に絵の具を少し入れて口を閉じ、上から指で押して色が混ざる様子を楽しむ遊びなら、手もほとんど汚れません。
筆で描くのが好きな子なら、色を二、三色にしぼって渡すのもひとつの方法です。色数が少ないほうが、混ぜたときに新しい色ができる楽しさに気づきやすく、片付けも楽になります。「赤と黄色をまぜたら何色になるかな?」と、ちょっとした実験のように楽しめますね。
片付けも「遊びの続き」にしてしまうコツ
楽しく遊んだあとに待っているのが片付けです。ここで大人が一人でがんばってしまうと、次に「絵の具やりたい」と言われたときに、また気が重くなってしまいます。片付けまでを含めて「絵の具遊び」と考えて、子どもにもできる役割を渡してみましょう。
・「筆を洗う係」「シートをたたむ係」など、子どもにできる仕事をお願いする
・手や腕についた絵の具は、遊びが終わったらすぐに洗面所へ。乾く前のほうが落ちやすい
・時間に余裕があれば、そのままお風呂に直行するのもひとつの手
・服についた汚れは、早めに水で流しておき、洗濯は商品の表示や衣類の素材に合わせて
「おしまいの時間」をあらかじめ伝えておくのも大切です。「時計の長い針が6になったら片付けね」と始める前に約束しておくと、子どもも心の準備がしやすくなります。片付けが終わったら「手伝ってくれてありがとう、助かったよ」とひとこと伝えると、次の絵の具遊びがもっと楽しみになるかもしれません。
乾いた作品は、こうして残そう
絵の具の作品は、乾くまでに時間がかかり、乾くと紙が波打ったり、絵の具が厚く塗られたところがはがれやすくなったりすることもあります。しっかり乾いてから、重ならないようにファイルや箱にしまうと、きれいな状態を保ちやすくなります。
また、絵の具の作品は「できあがった絵」だけでなく、「描いている時間」そのものも思い出です。夢中で手を動かす様子や、絵の具だらけの手のひらを、写真に撮っておくのもおすすめです。作品の裏には日付と年齢、そして「赤と青をまぜたらむらさきになって、びっくりしてた」といった、その日のエピソードを一言メモしておくと、あとで見返したときに情景がよみがえります。
スタンプ遊びの作品のように枚数が増えやすいものは、すべてを残すのは大変です。子どもと一緒に「お気に入り」を選んで残し、ほかは写真に撮って記録しておくのもよいでしょう。わたしたちが作っている「コノミュー」も、子どもの絵や作品を写真で残して、日付や年齢ごとに見返せるアプリです。紙の作品とあわせて、気軽な記録の方法のひとつとして使っていただけたらうれしいです。
完璧じゃなくても、「やってみた」が宝物
おうちでの絵の具遊びは、毎回きちんと準備して、きれいに片付けて……と考えると大変に感じてしまいます。でも、新聞紙を一枚広げて、色を二色だけ出して、十分だけ遊ぶ。それでも子どもにとっては、色が混ざる不思議や、手で描く気持ちよさを味わえる、特別な時間になります。
少しくらい床に色がついても、服にしみが残っても、それもきっと「あのとき楽しかったね」と笑える思い出のひとつです。おうち時間が増えるこれからの季節、親子のペースで、気負わずに絵の具遊びを楽しんでみてくださいね。